心の知能指数(EQ)

感情に振り回されない方法|イライラ・モヤモヤに飲まれない習慣術

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感情に振り回されるってどういうこと?

朝からタイツは破れるし、コーヒーはぶちまけるし、駅で知らない人に思いっきり肩ぶつかられて、「え、今日って厄日?」って空を見上げたくなる朝。

上司のなんでもない一言に地雷スイッチ押されて
「いやいや、大人だし」「こんなんで怒るとか器ちっさ」って冷静になろうとしても、感情の方が完全に主導権握ってて。

優しい人にもトゲトゲ発言しちゃうし、察してよ~と思いながら「なんでもない」とか言っちゃうし、もう自分で自分がめんどくさい。

そして押し寄せる自己嫌悪。
あの感じ…ほんと、なくしたいですよね。

これって、たとえるなら——

自分という車のハンドルを、感情が勝手に握ってる感じ。
しかも、スピード落とさず急カーブ攻めるタイプで、自分は後部座席から「ちょ、ブレーキ踏んで!」と叫んでる、みたいな感覚。

「あ〜また感情に振り回された〜」ってなりがちだけど、感情そのものは、決して悪者じゃなくて。
「見てほしいことがあるよ」って、心が出してるSOSのフラグなんです。

ちゃんと向き合えば、ちゃんと落ち着くし、 ちゃんと味方にもなってくれる。

ということで、 この記事では、感情が暴走するしくみと、それに飲まれずに進むコツを解き明かしていきます。

自分のハンドル、こっちに返してもらいましょ。

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なぜ感情に左右されてしまうのか?|脳と感情のメカニズム

そもそも、感情ってなんであんなに人を揺さぶるんでしょう?
「私が弱いからなのかな…」 そう思ってしまうときも、あるかもしれません。

けどこれは、私たちの意思や性格の問題じゃなくて、脳の仕組みによるものなんです。

脳には、「ヤバい!危険かも!」と即座に反応する扁桃体というセンサーがあります。
ここは、危険や不快を感じたときに真っ先に反応して「戦う?逃げる?」と体に指令を出す、いわばアラーム担当。
怒り・不安・恐れなど、感情の揺れを一気に引き起こすのもここです。

一方で、このアラームに対して
「ちょっと待って、それ本当に危ないやつ?」と冷静にツッコミを入れるのが、前頭前野という判断と理性の司令塔。

でもこの前頭前野さん、わりと打たれ弱い。
疲れてたり、寝不足だったり、ストレスたまってたりすると…あっさり機能停止します。
(すごく寝不足のとき、どうでもいいことで本気でイラッとする、アレです。)

つまり――

感情がぐらぐらするのは、あなたがダメだからではなく、脳がちゃんと働いてる証拠なんです。

まずはそれを知るだけでも、ちょっと安心しませんか?

なので、感情にのまれそうだな…と感じるときは、心の中でツッコミ入れてみてください。

「うん、脳がちゃんと仕事してるわー。」

それだけで、感情の波から少し距離が取れて、冷静さが戻ってくるはず。

感情に振り回されない人の共通点とは?

じゃあ、どうしてあの人はいつも穏やかで落ち着いていられるの?

職場でもSNSでも、感情に飲まれてない人を見ると そう思うこと、ありません?
感情がゼロなわけじゃないのに、乱されずに対応できている。

それって、感情を感じないのではなく、むしろちゃんと気づいていて、 うまく流すとか、受け流すスキルを持ってる人たちなんですよね。

そんな人たちに共通するポイントみたいなものをご紹介します。

こんな時もあるよねー、とまず認めてる

イラッとしても、モヤッとしても、「うん、まぁそうなるよね」って、自分の反応をまずそのまま受け止める。

無理やりポジティブになろうとせず、「そう感じた自分」を否定しない。
これ、地味だけど超大事。

感情にラベルを貼って落ち着かせてる

「これ、怒ってるな」
「なんか不安っぽいな」
みたいに、湧いた感情を言葉にしてみると、 それだけで距離感が生まれて、ちょっと冷静になれるんです。

感情という荷物にタグをつけて、置き場所を整理するような感じ。
感情に名前をつけるって、結構効くんです。

自分の“ぐらつきポイント”をわかってる

たとえば、
「私は寝不足だと地味に攻撃力高くなる」
「これが続くと、だいたいメンタルやられる」
と、自分のパターンを知ってると、予防線が張れるんですよね。

「来るぞ来るぞ〜」って思ってたら、いざ来ても慌てない。
その安心感、おおきいですよ。

自分にツッコミを入れるセンスがある

感情が高ぶっても「いや、それ言いすぎやろ」とか「今の、八つ当たりだったよね?」と、自分で自分にツッコミを入れる。

これができる人って、感情にのまれっぱなしにならない。
ちゃんと戻ってこれる人なんですよね。

つまり、感情に振り回されない人というのは「感情をコントロールしてる人」じゃなくて、「感情とイイ感じに付きあってる人」なんですねー

そして、その付き合い方は思ったよりシンプルで、ちょっとしたコツの積み重ねだったりします。

次は、そんなちょっとしたコツを、習慣に変えていく方法をご紹介しますね。

感情に振り回されない5つの習慣

ここからは、感情といい距離を保つための、ちょっとした日常の工夫=習慣編です。

感情の波に飲まれないようにするには、そもそも「感情が乱れやすい土壌」を少しずつ整えていくのが近道。

特別なスキルじゃなくても、気づいたり、ちょっと変えるだけで感情の波はゆるやかになっていきます。

① 朝イチのチェックイン

朝起きたら、スマホを見る前に、まずは自分に聞いてみてください。

「今日の私は、どんな感じ?」

眠い、だるい、なんかイライラしてる…
どんな感情でもOK。まずは気づいてあげることが大切です。
感情って、見てもらえると落ち着く生き物なので。

出勤前や仕事に入る前にもおすすめ◎

② 情報ダダ漏れ状態をやめる

感情が乱れやすいときって、たいてい刺激を受け取りすぎているんです。 SNS、ニュース、他人の声――いつも受け取りっぱなしじゃ、そりゃ疲れます。

「何を見るか」より「何を見ないか」を決めるだけで、感情ノイズはかなり減らせます。

通知を切る、スマホを遠ざける、フォローを整理する。
情報デトックス、思った以上に効きますよ。

③ 腸をととのえる

え、ここで腸?って思うかもしれないけど、実は腸と脳はガッツリつながってるんです。

腸内環境が乱れると、セロトニン(安心ホルモン)も減りがち。
結果、メンタルの浮き沈みが激しくなります。

白湯、みそ汁、食物繊維など、できることから少しずつ。

即効性はなくても、お腹をごきげんにしておくことは、心を整える近道なんです。

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④ 体の感覚に意識を向ける

イラっとしたとき、焦ったとき、そのまま突っ走らずに、一度、呼吸に戻ってみる。

肩の力を抜いて、10秒かけてゆっくり息を吐くだけで、自律神経が少し整って、感情のブレーキがかかりやすくなります。

「吸って〜、吐いて〜」だけでも、感情の波に飲まれそうなときのリセットに◎

⑤ 自分だけの回復タイムを予定に入れる

忙しい日ほど、どこかに「何もしない時間」を仕込んでおくと安心です。
スケジュールに空白を入れるのも、大事なセルフケア。

お茶をゆっくり飲む
5分だけぼーっとする――

なんでもOK!
リセットする場所や時間持っておくだけで、感情の耐性がグッと上がります。

感情に振り回されない人は、こういう小さな切り替えを、自分のペースで大事にしてる人だったりします。

全部をやらなくても大丈夫。
「これ、ちょっとやってみたいかも」と思うものを、まずはひと試してみてくださいね。

感情に支配されそうなときの緊急セルフケア法

どれだけ整えていても、感情の波が突然ガツンと押し寄せてくる日はあります。
イライラが止まらない。涙がこみ上げてくる。言葉がきつくなってしまう。

そんなときは、自分を責めるよりも先に、いったん受けとめなおす時間をとってあげることが大切です。

ここでは、感情が爆発しそうなときにこそ使えるセルフケアをご紹介します。

とにかく“物理的に”場所を変える

感情が暴走しそうなときは、まずその場から離れるのがいちばん早い!

席を立つ、トイレに行く、ベランダに出る――
どこでもいいから、その場を物理的に抜け出してみましょう。

人間は環境に影響されます。場所を変えると気分も変わる。
体を動かすと、脳が「今は戦わなくていい」と錯覚して、少しずつ落ち着いてきます。
逃げじゃない。距離を取る戦略です。

セルフ実況中継

心の中でもOK。口に出せたらさらにOK。

「今、怒りゲージがMAXに向かってまーす」
「うん、今かなりイラッとしてるわー」
「涙ボタン、指かかってます」

そんなふうに、自分の状態を言葉にして実況してみて。

反応しそうになったら、まず“観察モード”に切り替えるのがコツ
モヤモヤの正体が見えてくると、感情は少しずつ静まっていきます。

「○○のせいにしとこ」とつぶやく

本当の原因がわからなくてもいいんです。

「これは低気圧のせいだな」
「今日は寝不足のせいにしとこ」

仮のラベルをつけて、いったん棚上げすることで、思考のループから脱出できます。
本気で解決しようとしない。まずは、離す。

ただし、くれぐれも誰か人のせいにはしないことがポイントですよー

感情って、無理やり押さえつけようとすると逆に暴れます。けど、スペースを与えてあげると、不思議と落ち着くんです。

爆発しそうになったら、「落ち着かなきゃ」ではなくて「いったん感情を座らせておこうかな」くらいのスタンスでOK。

とくに仕事中の感情って、関係ないから気合でなんとかしよう、とスルーされがち。
けれど、こうして小さく立て直していくことが、パフォーマンスや人間関係にも直結してるんです。

コントロールしようとしすぎず、ちょっとずつ味方に戻す感覚、身につけていきましょう🌿

感情は、ちゃんと味方になる

感情に振り回されるときって、自分のことがコントロールできなくなったようで、ちょっと怖くなりますよね。

でも、それはあなたがダメだからでも、感情が悪者だからでもない。 少し距離を取ることができれば、感情はちゃんと落ち着いてくれます。

感情をコントロールしようとしすぎなくていい。
でも、放置もしないでほしい。

自分の感情に、ちゃんと居場所をつくってあげられると、どんなときでも、自分を立て直せる人になれます。

だから、大丈夫。
自分のハンドルは、自分で握って進んでいけますよ。

 

Writer
馬場 美穂
馬場 美穂
Neutral Flow代表/ライフコーチ
心躍る生き方や、自分の選択に納得できる爽快な毎日を目指し、心と体のトータルバランスを整えるサポートをしています。
腸活やEQ、コーチングを通じて、心地よい自分づくりに役立つセルフケアのヒントを発信中。
人生にポジティブな変化を生むコツは[Instagram]で、今と未来のためのスキルを学べるオンライン講座は[Udemy]でご覧いただけます。
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